2011 年 作業日誌


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11.  1.  1.

 明けましておめでとうございます。本年も頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

前出健太郎 加佐登神社 遊歩道 Ken-taro Maede  Accessilility Trail Japan

元日 午前0時 加佐登神社境内にて

11.  1.  7. 〜 11.

 年が明けて久しぶりに現場に戻ると、年末に慌しく仕上げた箇所が何とも雑に見えて仕方ありません。このまま進めると、後で必ず何か良くないことが起こり そうな気がします。一生懸命作ったものですが、取り壊してもう一度やり直すことにしました。


年末に整地した箇所を重機で掘り返し、横丸太を追加する作業をしています。
前出健太郎 加佐登神社 遊歩道 Ken-taro Maede  Accessilility Trail Japan
おかげできれいに仕上がり、気持ちのモヤモ ヤも晴れました。



11.  1.  12. 〜 14.

 先日仕上げた箇所にもう一段ずつ丸太組みを構築しました。次第にスロープの姿が見え始めてきました。


大分スロープらしくなりました。

ここまで土を搬入したところで、土集積場が空になってしまいました。



11. 1. 18. 19. 21.

 時おり悪天候に見舞われつつ、土集積場への土砂運搬作業を実施しました。


スロープの仕上げに必要な量の土砂を運べました。まもなく遊歩道構築作業に戻ります。

11. 1. 29. 〜  31.

 折り返し地点へと続くスロープの丸太組みが完成しました。

前出健太郎 加佐登神社 遊歩道 Ken-taro Maede  Accessilility Trail Japan
スロープの最終段を構築しています。 高さが合わない箇所の微調整をしています。

次の行程ではここに土を入れて路面を作ってゆきます。



11. 2. 1. 〜  2 .3.

 丸太組みに土を搬入して、折り返し地点の路面と連結する作業を実施しました。次の行程では、今回構築した路面の末端と既存の遊歩道との段差にスロープを 構築する作業を実施します。

 
折り返し地点までなだらかなスロープが繋がりました(左)
左上奥の道幅は、将来この上を通る遊歩道の基礎部分にするために広げてあります(右)。
 
もともとの地形が複雑なため、手間が掛かりました(左)。
次からはこの段差を埋める作業に取り掛かります(右)。



11. 2. 12. 〜 19.

 前回構築したスロープを既存の遊歩道と連結する仕上げの作業に取り掛かりました。この部分が完成すると、ゴール地点から最終折り返し地点までの約100 メートルの距離が緩やかな路面で結ばれます。最近色々な用事が入って時々工事が中断していますが、じりじりと作業が進んでいます。


鉄筋を使って特製のカスガイを作っています。通 常販売されているものよりも 太く、カギの部分も長くて丸太に食い込みやすい構造です。本来は鉄筋曲げ専用の様々な器具を使いますが、あいにく持ち合わせないので、ありあわせの道具で 工夫しながら作りました。

丸太が底をついてきたので、かつての作業の残材 をカスガイで2mほどの長さ に連結し、土中に埋設する部材として使用します。

スロープの丸太組み1段目が完成しました。次の行程ではここに土を搬入します。



11. 2. 22. 〜  23.

 丸太組みの一段目に土を搬入してならす作業を実施しました。この上にあと1段丸太組みを構築します。


あと30センチほどの段差を埋めるとこの箇所は完成です(右)。

11. 2. 24.

 丸太組みの2段目を構築しました。


11. 2. 26.

 丸太組みに土を搬入する作業に先立って、遊歩道脇の巨大な木の根を取り除く作業を実施しました。これは数年前にこの場所に取り掛かる際に伐採した枯れた シイの木のものですが、あまりに大きいので手に負えず、かろうじて道幅分だけ削り取るようにして道をつくりました。大部分はそのまま残って道幅が狭くなっ ていましたが、今回この箇所を完成させてしまう事になり、また近い将来ここを土台として上部に遊歩道を構築する予定なので覚悟を決めて頑張る事にしまし た。重機で掘り返すと早いのですが、広範囲にわたって斜面を崩す事になり、雨天の際に土砂崩れの原因になるので、手間が掛かりますがつるはしとスコップで こまめに掘る事にしました。四方八方にわたって土中深く食い込んでいる根を1本づつ切りながら掘り返し、根全体が回りの地形から完全に露わになったところ で、ワイヤーを掛けて重機で引き倒し、森の外へと運び出しました。朝から夕方まで掛かってクタクタになりましたが、これで心置きなく次の行程に取り掛かる ことが出来るようになりました。

前出健太郎 加佐登神社 遊歩道 Ken-taro Maede  Accessilility Trail Japan
斜面から木の根が大きく張り出してここだけ 少し狭くなっています (左)。
ツルハシで根を切りながら掘り起こしてゆきます(右)。

周りを掘り起こしたら重機の出番です。

小刻みに10回ほど揺すると抵抗なく転がり落ちて来ました(左)。
掘り返す際に出た土砂は丸太組みに流し入れ、跡地はきれいに削ってならしました(右)。



11. 3. 3. 〜 8.

 悪天候に阻まれつつなかなか作業が進みませんでしたが、丸太組みの最終段への土の搬入とならし作業が終了し、ゴール地点から折り返し地点まで、ゆるやか なスロープがつながりました。次の行程からは折り返し地点から先の構築に取り掛かります。






11. 3. 中旬

 愛用のチェーンソーが動かなくなりました。何日も掛かって試行錯誤を重ね修理しましたが良くなりません。何年間も修理を繰り返しながら酷使しつづけてき たので、どこかに致命的な故障が生じてしまったようです。長丁場で修理を続けることに決めましたが、これでは仕事にならないので新しいチェーンソーを購入 する事にしました。




エンジンを分解してみたりキャブレターを覗いてみたり。

11. 3. 29. 30.

 これから新たに丸太組みを構築する場所には、地下に水道管が走っています。これは丘の麓から頂上の本殿前に至る約数百メートルにわたって敷設されてい て、手洗い所や社務所の台所など様々な場所に水を供給しています。過去に水道管がある箇所を横切って遊歩道を構築する際には、絶対に傷つけないように一切 地面は掘らず、全て盛り土工法で道をつくって来ました。ところが今回は地形の関係で若干地面を掘る必要が生じました。敷設されている正確な位置が判らない まま、おおよその見当で作業を進めると思わぬ事故につながる恐れがあるので、場所を確認しがてら完全に掘り返し、破損を予防するための保護策を施してから 次の工程に移る事にしました。重機で掘ると水道管を壊してしまうので全て手作業になりましたが、無事に終えることが出来ました。これで安心して丸太組みを 作る事ができます。

 
この白線の下に水道管があるはずです(左)
深さ1メートルまで掘っても出てきません。(右)
若干焦りながら少し横に穴を広げてみると、深さ50センチほどのところにあるのを見つけました。(左下)

これから丸太組みを構築する予定の、長さ4メートルほどの範囲を完全に掘り返しました。(右)

小型のU字溝でフタをします。

後世の人が掘り起こしたときにわかるように(笑)水道管を示す青色に塗装しました。(左)
埋め戻して作業終了。(右)



11. 4. 1 〜 .2.

 作業小屋が傷んであばら家のようになりました。中で弁当を食べていると何とも言えずみじめな気分になるので、思い切って屋根の部材を全部取り替えること にしました。材料が揃っていたおかげでスムーズに作業を終えることが出来ました。



シートを剥がし、屋根材の竹を全部取り外しました。(左)
新たに足場丸太で屋根を作りました。(右・左下)

シートを張って完成です。


※ このたびの足場丸太は、(株)イ トペック様から御寄贈頂いたものを使用させ て頂きました。ありがとうございました。

11 4. 5.

 昨晩アメリカから新しいチェーンソーが届きました(個人輸入)。従来のものよりも若干排気量が少ないですが、これでまたバリバリ仕事が出来ます。
前出健太郎 加佐登神社 遊歩道 Ken-taro Maede  Accessilility Trail Japan
遊歩道の作業には40cc以上の大型のチェーン ソーが必要ですが、通常 10〜20万円と高額なので、比較的安価で安全な製品が出回っているアメリカから個人輸入で購入しました。

11. 4. 14.

 最近わけもなく心身ともに疲れ気味で、働く気力がこれっぽっちも湧いてきません。出るのはため息ばかりで情けなくなります。どうしたしっかりしろ、今ま でどんなに辛い事があってもニコニコ笑いながらたくましく乗り越えてきたじゃないか、そうだ肉を食おう、肉を食って元気を出すのだ!と、近所のブラジル食 材店(鈴鹿にはホンダ関連の企業が多く、ブラジルから出稼ぎに見えている方が多いので、ブラジルの人が経営する食材のお店がたくさんあるのです。)で赤身 の牛肉(600グラムで491円!)を買ってきて全部焼いて食べました。食べ終わって軽トラの荷台でしばらくウトウトしていると、なにやら突然、体の奥底 からどどーんと気力が湧いてきて体のスイッチが強引にONになりました。肉ってすげえ。
前出健太郎 加佐登神社 遊歩道 Ken-taro Maede  Accessilility Trail Japan
※注: この肉は大変安くておいしい肉ですが、 本来は煮込み料理用の大変固いものです。画像のように焼いて食べますと、人によってはアゴや歯をいためる恐れがありますので十分ご注意のほどお願い致しま す。

11. 4. 15.

 遊歩道構築予定地に生えている杉の大木を伐採し、玉切りにして皮をむく作業を実施しました。伐採の途中で付近の樹木に引っかかってしまい、チェーンブ ロックや重機を使って苦労して倒しました。いざ皮をむき始めると、根元から約9メートルにわたって広範囲に腐りが入り、中では大きな蟻が巣を作っていたり して散々な有様でした。遊歩道を構築する場所の確保とともに、立派な資材も調達できると喜んでいましたが、ちょっとがっかりしながら作業を進めました。


構築したばかりの遊歩道を広々と使って皮むき作業を実施しました。

右端の2本(左画像)は大丈夫ですが、あとの丸太は中が蟻に食い荒らされて散々な有様です(右)。



11. 4. 17.

 最近丸太の備蓄が底をついてしまったので、資材の調達をかねて杉やヒノキの間伐作業を実施しています。今日は遊歩道から外れて適当な木を探している最中 に、将来遊歩道に向かって倒れる可能性のあるシイの大木を見つけました。この木の幹は遊歩道から見ると一見健全に見えますが、反対側には広範囲にわたって 腐りが入っていたので急遽伐採する事にしました。一日一回は遊歩道をくまなく歩いて異常が無いか点検する事にしていますが、時々は道の無い森の中にも分け 入っ て見なければいけないなと思いました。


これらの丸太はお正月のかがり火用の薪として活用されます。

11. 4. 30.

 ひどい風邪を引いてしまい2、3日前にやっと復帰しました。今日は体の慣らしを兼ねてあずまや周辺の階段の補修作業を実施しました。


朽ちた階段を掘り起こし、固定用の鉄筋を取り外して再利用します(左)。

踏んだときにぐらつかないように鉄筋で固定し、周りに土を詰めます(左)。
防腐用に木酢液(原液)を塗って完成です(右)。

11. 5. 7 〜 16.

 資材の調達を目的に間伐作業と丸太の皮むき作業を実施しています。だいぶ丸太が集まって来ましたが、必要な量が揃うまで、まだ少し時間が掛かりそうで す。早く遊歩道の構築作業に戻りたいです。

混み合ったり、将来枯れそうなスギやヒノキを伐採し資材として活用します(左)。
こちらは先日「みささぎの郷 里山作りの会」様から頂いた丸太です(右)。

11. 5. 26.

 昨日は、伐採した木が小川の泥の中に埋まってしまったり、ロープを掛けて重機で引き上げているうちにぬかるみに足を取られてキャタピラが外れたり、それ を全身泥まみれになってはめなおしたり、大変苦労して丸太を集めました。今日はそれらの丸太の皮むきを実施しましたが、いつに無くスムーズに皮がむけてく れて、予定していた時間を大幅に短縮して作業が終わりました。昨日の苦労が報われたような気がしました。


11. 6. 1. 〜 15

 時おり雨天に見舞われ作業がストップしつつも、資材も大分集まり伐採作業が大詰めを迎えています。
 
 前出健太郎 加佐登神社 遊歩道 Ken-taro Maede  Accessilility Trail Japan
丸太の皮をむき、伐採の際に付けた「受け口・追い口」の跡を切り落として端を整えています(左)。
斜面をかついで登れないほど重い丸太はチェーンブロックで引き上げます(右)。
 
丸太を玉切り中チェーンソーが下敷きになり、バーがひん曲がってしまいました(左)。
意外とあっさり直ってくれて安心しました(右)。

11. 6. 23.

 カラスはいつもこの時期に産卵と子育てを迎えるのか、梅雨前後になると動きが活発になり時には鳴き声や低空飛行で威嚇してくることがあります。これもま た自然と思い毎年過ごしていますが、今年のカラスは何故かたちが悪く、毎日のように私の作業小屋に糞を大量にばら撒いていったり、蚊取り線香の入れ物をど こかへ隠したり、ゴミ箱をひっくり返したりなど、徒党を組んで悪さばかりしています。作業小屋の屋根に止まって面白半分に雨よけのシートをつつき回してゆ くので、つい数ヶ月前に張り替えたばかりの屋根は見るも無残に穴だらけとなり、雨が降るとジャジャ漏れの状態となりました。頃合いを見て張り替えをと考え ていましたが、先週の末あたりからカラスの動きが鎮静化し始めたので、昨日・今日の貴重な晴れ間を使って屋根の張り替えを実施しました。折からの蒸し暑さ と日差しのきつさに苦戦しましたが、無事新しい屋根が出来上がりました。


 カラスの開けた穴。こんな穴が数十個あり ます。     張替え作業中
前出健太郎 加佐登神社 遊歩道 Ken-taro Maede  Accessilility Trail Japan   
屋根の上にて。                無事に張り終わった屋根。

 このたび張り替えたシートは、先日表彰をお受 けした財団法人神道文化会様 から頂戴した記念品料にて購入させて頂きました。おかげさまで厚手で完全防水のシートを入手する事が出来ました。誠にありがとうございました。
 この屋根は5.4m×10mありますが、5.4m四方のものを2枚、特殊な接着剤でつなぎ合わせ使用しています。接着作業には広い 場所が必要なので、近 くの公園「フラワーパーク」の駐車場で時間帯を見計らい手早く作業を済ませました。接着を終わり、屋根の上の工程で広げやすいようにと丸め始めたところ、 どこからともなく年配の方が1人お見えになり、「ひとりじゃ大変やろ。」と言いつつ手伝って下さいました。きっと公園を散歩しておられたのでしょうが、暑 い中、汗を掻きながら手伝ってくださる様子に感激いたしました。誠にありがとうございました。おかげさまで手間の掛かる作業をスムーズに進めることが出来 ました。この場をお借りしまして心からお礼を申し上げます。

11. 7. 7. 〜 9.

 先日の暴風雨で、作業小屋に隣接する山林に生えていた、直径約1メートル、高さ約10メートルのシイの大木が近隣の樹木や竹などを巻き込みながらこちら に向 かって倒れました。現場は神社の所有地ではありませんが、ちょうど土地の境界線に位置する当方の丸太置き場を直撃し、車道も1部影響を受けているので、必 要な分だけ切り払い現場を復旧させる作業を行いました。梅雨明け直前の炎天下、軽トラの荷台に約10杯分の枝葉や幹を運び出す作業は大変なものでした。ま たその中にウルシの木が紛れ込んでいて、十分注意はしていたものの、ふとした拍子に肌が直接触れてしまったようで、あとで腕が広範囲にわたってかぶれてし まいこちらも痒くて大変でした。


斜面の上から下に向かってシイの大木が倒れています。 巻き込まれた樹木もろとも丸太置き場の上に。
3日間にわたる苦闘の跡。あとは土地の所有者さん頑張ってください。

11. 7. 13.

 午後から、三重テレビ番組「ハッピー!エコCUTE」の撮影がありました。昨年に引き続き2回目の収録です。少し暑さが和らいだ遊歩道で、レポーターの 武田むつみさんと一緒に丸太運びと皮むき作業を実施しました。今回の内容は、8月6日(土)午後7時55分から8時まで三重テレビにて放送されます。
11. 7. 15.・16.

 「みささぎの郷 里山作りの会」の伊藤会長様のお口添えで、白鳥塚の北側に位置する(株)村川組輸送部様から、倉庫解体に伴って出た太い材木(太さ約 30cm×30cm、長さ約2.5メートル)を約40本ほど頂けることになりました。解体作業のお邪魔にならないように、神社の裏手 から重機で接近し、資 材にワイヤーをかけて少しずつ牽引し神社の敷地内へと運びました。



保護材にくるまれた材木。後ろに見えるのは白鳥塚古墳。

連日の暑さにやられてひっくり返りそうです。朦朧とした意識の中、頭の中をPerfumeの「ポリリズム」がエンドレスで 流れています(笑)。「熱中飴(塩レモン味)」と氷水で我に返っては作業を続けています。

11. 7. 18.

 台風の影響で時々雨が降る中、資材を全て運び終わりました。ここ数日続いた雨が材木にたっぷり染み込んでとても重くなっていて、軽トラへの積み込みと積 み下ろしに大変苦労しました。



11. 7. 20〜.23.

 先日の台風による強風で、加佐登神社の境内でも何本か樹木が折れたり倒れたりする被害が出ました。遊歩道の入り口では直径約50センチ、高さ約15メー トルの杉の大木が根元付近から倒れ、炎天下で大汗を掻きながら撤去作業をする羽目になりました。


遊歩道の入り口に隣接する作業道が完全に塞がれています。

頑丈そうに見えますが、根元から約1メートルのところに腐りが入っていたようで、そこから折れました(左)。
チェーンソーで枝を切り取り、丸太状になった杉の木を運びやすい長さに切り分けてゆきます(右・左下)。

苦労の甲斐あって、作業道が再び姿をあらわしました(左)。
枝はお正月のかがり火の薪に、丸太は遊歩道構築の資材として活用します(右)。

11. 8. 23.

 資材の調達作業(丸太の伐採)が終了し遊歩道の続きを構築できるめどが立ったので、作業がしやすいように現場の掃除を実施しました。しばらく来ていな かったので、草が生い茂り、大雨や台風で、木が倒れたり落ち葉や落枝で埋め尽くされていたりしていましたが、数時間できれいに整える事が出来ました。また この日は、重機、キャリヤー、発電機のオイル交換もあわせて実施しました。間もなく遊歩道構築作業を再開します。


現場に倒れていた樹木を細かく切って運び出します。

置いてあった資材、降り積もった落ち葉や落枝などを掃除して、作業の準備が整いました。



11. 8. 29.

 たびたびの大雨で、最近特に遊歩道のあちこちが浸食されています。特に古くからある作業道と遊歩道が交わる辺りでは、急傾斜の作業道から勢いよく流れて きた水が遊歩道やその下の車道まで掘り崩し深刻な状態になっています。今日はこの場所に水の流れを変えて浸食を防ぐための溝を造る作業を実施しました。こ れは、「ウォーターバー」という名称で広く用いられている浸食防止用の仕組みを、車椅子での通過に配慮してアレンジし直したもので、地表すれすれに埋めら れた丸太の間に岩を詰め、路面と水の通り道とを両立させた構造になっています。今日ははるばる伊勢から木場さんが活動にご参加下さいました。ご主人ととも にイタリア料理のレストラン「オステリア ラブラ」を 経営されている木場さんは、定休日の貴重な一日にも関わらず 遠方からお越し下さり、スコップを使っての溝掘りから丸太の設置、岩詰め、地ならしに至るまで、蒸し暑いなか頑張って下さいました。作業中はお互いの共通 の関心事である料理や登山のことなど話題が尽きず、久しぶりに楽しく作業を進めることが出来ました。このたびは誠にありがとうございました。おかげさまで 手間の掛かる作業にも関わらずとても楽しくスムーズに取り組む事が出来ました。またご一緒できます事を心から楽しみにしております。


作業道が遊歩道と交わる地点に、遊歩道を斜めに横切る形で溝を掘ります(左)。
溝のふちを丸太で固め、内部には、底に大きな岩、路面に近づくにつれて小さな石を入れて埋めてゆきます(右)。
前出健太郎 加佐登神社 遊歩道 Ken-taro Maede  Accessilility Trail Japan
継ぎ足し用の丸太を切る当会代表(左)。
表面に丁寧に石を詰めておられる木場さん(右)。

きれいな溝が出来上がりました。
このあと、車椅子で上を通過しやすいように丸太の表面を平らに削り、内部の石も丁寧にならして完成です。



11. 8. 31.

 足りない部分に石を詰め、平らにならして溝が完成しました。これで週末の台風も大丈夫。だといいな。。。





11. 9. 5.

 紀伊半島一帯に甚大な被害をもたらした今回の台風が去ったあと、恐る恐る様子を見にやってきました。大規模な倒木や浸食を覚悟していたのですが、小さな 亀裂が2箇所ほど見つかっただけで、ほとんど何の被害もありませんでした。特に台風直前に木場さんと二人で造った排水路が効果を発揮したようで、遊歩道も 作業道も健在で安心しました。今日は地面に大量に降り積もった落枝や落ち葉をかき集め、とりあえず遊歩道を歩けるようにする作業を実施しましたが、どれも これもたっぷり水を吸い込んでいて重く、2時間以上にわたる作業で結構クタクタになってしまいました。


落枝や落ち葉で一杯ですが、地面は全く浸食されていません。

作業道の別の場所に作っておいた「ウォーターバー」も効果を発揮しています。

森の中に突如現れた巨大なノウタケ(ホコリタケ科ノウタケ属)。
汁物、鍋物、ゆでて酢の物にして食べられるそうです。まだ食べた事はありません。
一見、誰かが落としていった黒糖コッペパンみたいに見えます。

11. 9. 19.

 大型の台風15号が接近しているので、ダメージを受けやすい作業道と車道のメンテナンスを実施しました。作業道も車道も急傾斜で、大雨のたびにかなり深 くえぐれてしまうので、排水路を掘り直し路面の凹凸に砂利を詰めるなどの処置を行いました。残暑が厳しく大変な作業でしたが、折から開催中の「バルーン フェスティバル」競技に参加している気球がたくさん頭上を通過して気持ちを和ませてくれました。この日はあわせて重機の整備も行いました。燃料、オイルそ れぞれのエレメントを交換予定ですがまだ部品が届かないので、エンジンルームの掃除とエア抜き手順の確認作業を行いました。

路面の凹凸を無くし側溝を掘り直しました。

エンジンルーム内部。
 
音もなく通過してゆく気球。時おりバーナーの炎を噴射する音のみが聞こえてきます。


 
11. 9. 23.

 東海地方一帯に甚大な被害をもたらした台風15号が通過したあと、現場の点検に訪れました。台風直前の作業が効を奏して、車道、作業道のダメージはほと んどありませんでした。作業小屋も、ブルーシートが風にあおられて一部破損していたものの無事でした。


表土が若干流出していますがほとんどダメージはありません。

ブルーシートを接着剤で張り合わせた部分が少しはがれたようです(左)。
加佐登町内「仕出し・鮮魚 魚佐(うおさ)」のご主人 阪さんが土嚢を寄贈して下さいました(右)。
有効に活用させて頂きます。誠にありがとうございました。

11. 10. 1.

 最近重機の排気ガスがやけに黒くなり、出力も若干落ちているように感じられるようになったので、これを改善するために重機の燃料エレメントとオイルエレ メント(それぞれの不純物を取り除きエンジンの動きを助けるフィルター)を交換する作業を予定していました。肉離れの回復も順調で、昨日ちょうど部品も届 いたので本日いよいよ実施する事にしました。作業は30分ほどで無事に終わり、エンジンを掛けてみると排気ガスが透明〜薄白色になっていて感動しました。 あわせてエンジンルームと各稼動部の清掃を行い今日の作業を終えました。


オイルエレメント(左端の銀色の缶状のもの)と、燃料エレメント(右端半透明のもの)を交換します(左)。
昨日届いたばかりの部品です(右)。

オイルエレメントを交換しました。オイルがこぼれないように手早く行います(左)。
中央のオレンジ色の筒状のものが新しい燃料エレメントです。
透明のカップには錆びが沈殿してかなり汚れていたので、丁寧に洗いました(右)。

燃料エレメントの交換により一時的に燃料の流れが途絶えてエンジンが掛からなくなっているので、
これを解決すべく、通常「エア抜き」と呼ばれる燃料系統に混入した空気を追い出す作業を実施しました。
燃料エレメントのストレーナ・カップ上部にあるエア抜きバルブ(2個)を燃料の流れに沿って順番に緩め(左)、
手動ポンプ(右画像)で燃料を送り、カップ内が燃料で満たされバルブから若干染み出して来たところで締めます。

次に燃料をエンジン内に噴射する「インジェクション・ポンプ」入り口にあるバルブを緩め、
同様に燃料を送って、勢い良く出始めたらバルブを締めてエア抜き完了です(左)。
無事交換作業が終了し(右)、エンジンも好調に動き始めました。
※ 通常、オイルエレメントはオイルと同時に交換しますが、オイルはつい先日交換したばかりで
まだ数百メートルしか走っていないので、今回はエレメントのみの交換になりました。

君達、長い間ご苦労様でした。

11. 10. 6. 〜  11.

 これからの構築作業で使用する土を、現場近くまで運搬し集積する作業を実施中です。こうしておくと丸太組みへの土の供給が非常にスムーズに行えます。あ と数日で終了する予定です。



土運びに飽きてきたら、休憩代わりに丸太同士を 連結するカスガイを作りま す。本来は鉄筋曲げ板と専用の鉄棒を使いますが、買うと結構高いので、いろいろ考えた末にパイプレンチと倉庫の床、持ち手が壊れた鉄ヘラの柄を組み合わせ て曲げてみる事にしました。最初は少し失敗しましたが、慣れてくるとすいすい量産できるようになりました。工夫すれば何とかなるもんですね。(※ これら カスガイの材料となる鉄筋は、(有)加佐登ブロック工業社長の北條滋朗様に頂戴致しました。心からお礼を申し上げます。)

11. 10. 14.

 土運び作業が完了しました。週末の雨降りの前に作業を終えられて幸いでした。



11. 10. 17.

 遊歩道を構築する予定地に生えている樹木を伐採する作業を実施しました。今まで頭のすぐ上を覆っていた高さ3メートルほどの樹木を沢山伐採すると一気に 見晴らしが広がり、高さ10メートルを超える高木層が次々と現れてきて巨木の森へと変貌しました。これからこの場所に道を作ってゆくのがとても楽しみに なってきました。
前出健太郎 加佐登神社 遊歩道 Ken-taro Maede  Accessilility Trail Japan



11.10.21.・22・ 29・31

 現在作業中の現場はもともと谷間のような地形を埋め立てて遊歩道を構築しています。地下水の流れを遮断しないように、工程の最初の段階から土台に岩を多 く用いたり、要所要所に水抜き用の穴を掘って砂利を詰め込んだりするなど、地下水路を確保しながら作業して効果をあげてきました。しかしながらここ数ヶ月 の間に台風12号をはじめとする豪雨にたびたび見舞われた事によって、新たに地表付近にも水脈が出来て遊歩道に流れ出し、路面がすっかり泥沼のようになっ てしまいました。次の構築作業に向けての重機の乗り入れができない状況なので、水抜き用の側溝の構築を実施する事にしました。重機が使えないので、膝付近 まで泥に埋まりながら、側溝掘りから岩の詰め込みに至るまで手作業で実施しましたが、何とか頑丈な側溝を作り終え、水がその中をスムーズに流れ始めま した。次の工程では路面表土の入れ替え作業を実施し、いよいよ重機を乗り入れられるようにします。


たっぷり水を吸い込んで泥沼のようになった路面。歩くと膝付近まで沈んでゆきます。
路面と斜面の境界線に幅、深さともに50センチほどの側溝を掘り、掘った泥はキャリヤーに載せて搬出します。

早速側溝に水が流れ始めました。このすぐ下にある小川に向かってゆきます。
ちゃんと機能しているのが確認できて報われたような気持ちになります。(左)
水脈の出口の一つです。ちょろちょろと水が流れ出しています。(右)

夏の間にすっかり草に覆われてしまった岩置き場で、岩を掘り出します。(左)
手ごろなものをキャリヤーに載せて現場に運びます。(右)

遊歩道の形に沿って掘られた溝の中に岩を詰め込んでゆきます。
岩を持ってここを歩くのは至難の業で、何度も長靴が泥の中にめり込んで脱げそうになります。
全て終わった頃にはすっかり夜。カラスが「早く帰れ」と鳴いていました。




11. 11. 2.

 最近重機のラジエーターがうまく機能せず、少し作業しただけでドレインから湯気や熱水を大量に噴き出すようになったので、一度内部を点検する事にしまし た。原因として考えられるのは、?冷却水の循環ポンプの故障,?エンジンと冷却ファンおよび循環ポンプをつなぐベルトの劣化,?ホース内部の詰まり,?ラ ジエーター本体と循環経路の詰まりですが、点検の結果?と?の疑いが強く、ホースとラジエーター本体、循環経路を洗浄することにしました。先日交換した燃 料エレメントのストレーナカップにも沢山の異物が沈殿していましたが、ラジエーター周りも経年変化で錆びなどが付着し詰まる事があるようです。ホースの内 部を先を曲げた針金などで掃除してから洗い流し、本体と循環経路の内部も繰り返し洗浄しました。また、ラジエーター本体の放熱フィンも、樹脂ブラシで丁寧 に汚れを取り除きました。再度冷却水を満タンにして試験的に30分ほど作業してみたところ、以前とは打って変わって静かになりました。これでまた快適に作 業できるようになりました。


重機の後部カバーを取り外し、脚立で内部を覗き込みながら点検します。

合計3本あるホースを取り外します。錆びやオイルを丁寧に取り去りながら作業しました。
 
11. 11. 14.

 森の中に集積しておいた丸太を遊歩道構築予定地まで運搬する作業を実施しました。1本約200キロ以上の丸太ばかりでとても人力では手に負えないので、 チェーンブロックと重機を駆使して何とか夕方までに作業を終えることが出来ました。


重機が入っていけない場所なので、チェーンブロックで引きずり出し、谷底の現場めがけて滑り落とします。

えらい勢いで滑り落ちていった丸太(左)諏訪大社の御柱祭り(おんばしらまつり)を思い出しました。
その後重機で一本ずつ運搬し、現場近くに積みなおしました。(右)




11. 11. 16.

 遊歩道構築作業の実施に先立って、現場の掘削作業を実施しました。巨大な木の根に阻まれて初日は作業がはかどりませんでした。この場所にはあと数本の木 の根が眠っているので、今後少し苦戦を強いられそうです。


掘削した土砂を脇に置いて作業を進めると次の工程の邪魔になったり排水の仕組みが埋没したり
などの不都合が生じるため、手間が掛かりますが一旦キャリヤーで森の外の集積場に運び出します。

掘削の途中で掘り起こした巨大なシイの根をキャリヤーで運び出します。



11. 12. 9.

 ここのところ、なかなか安定しない気候や体のだるさなどから、大いに気持ちが盛り下がっておりましたが、思いがけず様々な方から励ましのお言葉を頂戴し 感激しております。元気を出して頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します。


ぬかるみに敷き詰めて重機が作業しやすくするためのコンクリート片。
土置き場から出土した大きな廃材の塊をタガネとハンマーで細かく砕いて作りました(左)。
丸太同士を連結するカスガイ。頂いた鉄筋の端切れを利用して60本近く作りました(右)。

ぬかるみに重機の足を取られつつ、なんとか丸太組み構築予定地の地ならしが終わりました。
次回はこの場所に丸太組みの基礎丸太を設置する作業を実施します。

11. 12. 16.

 丸太組みの構築作業が始まりました。先日地ならしをした場所をスコップなどで微調整しながら基礎丸太を設置し、土を搬入する作業を実施しました。


 



11. 12. 21. 22.

 思わぬ体調不良で数日間休んでしまいましたが、今日から復帰し、先日の基礎丸太への土入れ作業と、2段目の縦丸太を設置する作業を実施しました。


土入れ作業が完了し、一段高くなりました。
前出健太郎 加佐登神社 遊歩道 Ken-taro Maede  Accessilility Trail Japan
ドリルで穴を開け、鉄筋を叩き込んで丸太同士を連結します。
縦丸太は1本あたりの長さが160〜170センチあります。
次の工程ではこの上に横丸太を設置し、土を 入れて2段目を完成させます。

11. 12. 24.

 2段目の丸太組みを構築する作業を実施しました。森の外は日が照ってぽかぽか陽気ですが、ここは日陰なので、まだ体が温まらない作業の最初のうちは寒く て仕方ありません。萎縮した気持ちを振り払おうとハンマーを握る手にも力が入り、気合をかけながら一発一発、鬼のような形相で鉄筋を打ち込み続けます。そ のうち熱くなってきて体中からもうもうと湯気が噴き出し始めます。通りすがりの人が見たら怖いでしょうね。


縦丸太の上に横丸太を設置して、鉄筋を打ち込み固定しました。

隣り合う横丸太同士の連結では、先日作ったカスガイがさっそく活躍しました。

現場近くの土集積場からキャリヤーで土を運び、丸太組みに流し入れる作業が始まりました。

11. 12. 26.

 丸太組み2段目への土入れ作業を実施しました。雪の中での作業でしたが、幸い風が無かったので寒さは感じませんでした。

前出健太郎 加佐登神社 遊歩道 Ken-taro Maede  Accessilility Trail Japan
雪が降り始めると、急にあたりが静かになったように感じます。

2段目が無事完成しました。次回は3段目の構築に取り掛かります。






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