学位論文:ヒューマン フリッカー VEPのフーリエ分析
(Fourier Analysis of Human Flicker VEP)

VEPのフーリエ分析は古くはVan der Tweelらによりelectronic filterを用いて行われたが、近年electronicsの発達により高速フーリエ変換方式(F.F.T.)によるVEP(視覚誘発脳波)のフーリエ分析の報告がみられるようになってきたが、ほとんどがパワースペクトルによる分析であり、極座標による振幅と位相を検討したものはない。前回(日眼)で8Hz,16Hz,32Hzのサイン波および矩形波刺激光を用いた4名のフリッカーVEPフーリエ分析を行ない、その基本波振幅の最大値は8〜16Hzにあり、潜時は67msec〜82msecにあることを報告したが、今回は刺激周波数12Hzと24Hzを追加し、正常人21名について8,12,16,24,32Hzサイン波および矩形波刺激VEPを記録しフーリエ分析を行ない、それぞれの振幅と位相を得てこれを比較検討した。
21名の正常人について、8Hz,12Hz、16Hz,24Hz,32Hzのサイン波および矩形波刺激VEPを記録しフーリエ分析を行ない、それぞれの振幅と位相を得てこれを比較検討した。そのうちわけは、VEPが安定して得られたもの11名、VEPの得られない刺激周波数のあるもの3名、α波やノイズの混入が多いもの3名、VEPが極度に小さいもの4名であった。反応性の良好な11名に関してそれぞれの基本振幅と位相を比較検討し次の結果を得た。
1.VEPフーリエ分析の基本振幅の最大値はサイン波刺激、矩形波刺激ともに12〜16Hzに認められた。
2.潜時(刺激光基本波とVEP基本波の位相ずれ)はサイン波刺激、矩形波刺激ともに各周波数でほぼ一定で70〜80msecであった。
以上の結果は、従来の測定法ではなく、新たに開発した刺激装置とヒューレットーパッカード社製フーリエアナライザー5451Cのコンピュータを使用して分析されたものであり、より信頼性が高いとみなされる。
(伊東正秀:三重医学、vol 27、357〜368、1984)

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