念仏講(女人講)

 

 本照寺女人講は、明治29年(1896)1月に創立された記録が残っています。当時、講員は四十数名加入され、毎月定日にお寺へ参詣し、講費として毎月5厘の積立金をして、御堂の荘厳整備と報恩の行として始められました。

 創立の時の「かりきそく」には、次のような条項が記されています。

  第一条 毎月16日定日す。雨天なれば延引又は無拠差支有之候時
      は都合の日を以て相勤事
      (毎月16日と定める。雨天であれば、延期するか差し障
       りがあれば都合のよい日に勤めること)
  第二条 幼少の小共引誘の事皆の者に差障りに相成候故御断の事
      (小さい子どもを連れてくると、みなさんに迷惑になるの
       でやめていただくこと)
  第三条 御勤の最中に内声の咄或はあとより参る人有之候共時下の
      あいさつ御断の事
      (お勤めの最中の内緒話や、後から参った方との時候のあ
       いさつはやめていただくこと)
  第四条 説教の時煙草のむ事のお断の事 付けり 眠りあくび退屈
      のお方は御勝手にお立ちに預り度事
      (説教の時のたばこはひかえること。また、退屈な方は、
       ご自由に退席していただいてよろしい)
   第五条 毎月5厘の積金に預り度 但し当日不持御方又は差支にて
      参りなき御方は此月廿日かぎり発起人迄御預り申す度事
      (毎月5厘の積立金をしていただくこと。但し、当日お持
       ちでない方や都合で参られない方は、当月20日までに
       発起人へお支払いいただくこと)
  第六条 掛金の儀は講名の御方と御相談の事
      (掛金については、講の方々とご相談すること)
   第七条 講名の御方は何事も無遠慮御咄しに預り度事
      (講の方々は、なんでも遠慮なくお話いただくこと)

 大正14年(1925)3月5日には、創立三十周年慶讃会が行われ、徳田・正念寺住職・川瀬師をお招きして、盛大なる法要が勤修されました。
 その後も、法座は休むことなく脈々と続けられてきました。戦争などで日常の生活の衣食もままならぬ中でも、心の拠り所として、お念仏の声は、昭和の時代を生き続けてきました。
 また、昭和61年(1986)春、本堂が新しく改築された慶喜の翌年には、創立九十周年大法要が厳修されました。祖師聖人満90才の御往生にあずかって、祖師寿のお喜びをお祝いした法会でありました。その時の記念として、「塩屋八景碑」を山門前に建立できました。この碑は、お同行・樋口幸三郎・静江ご夫妻の寄進の賜物です。
 平成8年(1996)には、創立三十周年慶讃会の御講師であった徳田・正念寺より住職・梅林久高師をお招きして、百周年記念法会が行われ、同日午後には、高田本山御法主をお迎えして伝灯奉告法会第24組御巡教法要を厳修いたしました。
 当時は、毎年1月に講費500円を集めて、毎月15日の命日に法会を行っていました。当日参加される方は、毎月、昼食材料費100円とお米1合を係の方々に集めていただき、昼には、ご奉仕の方々が味御飯や季節のおはぎなどの手作り料理を作り、午前11時からいただいておりました。食後の法座は、午前12時30分より、勤行(阿弥陀経・文類偈・和讃)と法話、そして讃仏歌で終わっていました。

 その後、法要日の昼食は、平成21年(2009)8月からとりやめることになりました。そして、午後1時から法要をしています。また、平成29年から、「仏具磨き」は、取りやめにしました。平成31年からは、男女問わずお参りしていただけるように「念仏講(女人講)」としました。
 平成31年(2019)から、本照寺同行は念仏講・女人講費1000円を本照寺へ、福楽寺同行は観音講費1000円を福楽寺へ納めることにしました。(平成30年(2018)までは、全員が講費500円を本照寺へ、500円を福楽寺へ納めていました。)

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