Super Students

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様々な分野で多彩な能力を発揮する若い人たち。
彼ら・彼女らの立つ場所は、まだ年齢的には「学生」と呼ばれる時期にちがいない。
しかし、とてつもなく素敵なものが、将来待っている気がしてならない人たちがいる。
優れるとか勝るとかの単純な言葉では言い表せない、魅力を秘めたこの若者たちの力。
大志を抱く人特有の人間力を感じる。将来にむけてジャンプする寸前の緊張を感じる。
実に楽しみな、若い人たち。


 全身から発する「気」に満ち溢れた人。エネルギーとかバイタリティーとか気迫とか意気とか、彼のそれを表現できる言葉を探すよりも、彼をしばらく見ている方が手っ取り早い。
 彼が一人座る場に、友人たちが集まってくる。大きな奴小さな奴、強そうな奴すばしっこそうな奴。彼がいちばん強そうな奴の名を呼び捨てにすると、その強そうな輩がうれしそうにする。小さな奴の肩に手をかけると、その小さな輩がうれしそうにする。強そうな奴もすばしっこそうな奴も、彼に視線を合わせて話をすればうれしそうにする。よく見れば彼と同じ学校の奴も、異なる学校の奴も混ざっている。ということは親しい奴もそうでない奴も、みんなが彼の発する「気」に吸い寄せられているのである。
 勉強ができスポーツも抜群で、理不尽な詰め寄り方をする大人には毅然と立ち向かう彼の姿が、すべての周囲の若者には心地よい。だから彼の周りに若者が集まってくる。手をぬくことは自らが最も嫌う行為であり、日々の小さな努力は絶対に惜しまない。小さな了見の大人では、彼の真の能力を見抜けない、手にあます。
 どうすれば信頼され、競争に勝ち、周囲を納得させられるかをわずか十代で身にまとわせた少年。大きな将来が待っている。しかも必ず。
                           2023

  「黙々と」という言葉を具現化する少年。学ぶことに集中し、暗記に顔をうずめ、目の前の計算に緊張を注ぎ込む。じっと見つめじっと自らの頭に取り込み、そしてじっと自分の経験を駆使して考える。彼の「黙々と」に含まれるものは、何も考えずにただ過ぎていくことを待っている人たちの「時間」とは一線を画す。
 みんながやるから、やるのじゃない。友だちがやらないから、しないのじゃない。自分が進み続けると考えたことは、一人だってやる。外国の方との一対一の英語での会話も躊躇しない。自分の心が圧力を感じ、時としてしんどいと思っても自分がやると決めたことは、とことんまで「黙々と」突き進む。
 「即戦力」という言葉と、何に対してもフットワークも軽やかに対応する人たちに日本中が焦点を当て、大学生向けセミナーが開催され、職業ですら有利な場面を見極めてのりかえよと転職サイトがもてはやされる時代。
 「黙々と」積み上げることの素晴らしさを、あらためて教えてくれる人物です。
  2023

 人のもつ力、パワーというものは、どこから湧き出てくるのでしょうか。いったい何なのでしょうか。生まれながらにして個々が持ち合わせているもの?いや、ちがうようです。では周囲に存在する大人達が引き出すもの?いや、それもちがうことは明白です。自らが、周囲に興味をそそられる題材を見つけ出し、能動的に探求し理解しそれを自らの所有物として取り入れようとする所作、動作、これこそ人の持つ「パワー」であると、この人の日々を見るたびに思います。
 学校で先生が知識を与えてくれることがうれしい。時間をかけて難解な問題にとりかかることが楽しい。試験に出題された問題のつじつまの合わない表現を見いだすことにワクワクする。勉強の合間のくつろぎのために、パンをかじりながら歴史をのぞく時間がたまらない。
 彼に、定期試験の数学の評点がどうであったかの話など必要ありません。観点別評定がどう記されていたかなど、全くどうでもいい話です。ただ一つ、彼がこのパワーを失わないで進み続けてくれること、この国の繁栄の源となり、他では成し遂げられない領域の仕事へと足を踏み入れていってくれることこそ、切に私たちが希望することです。
2023

 底抜けに明るく素敵な笑顔を絶やすことのない少女。瞬時に素敵な言葉を選び、それに暖かみと明るさと誠実さを加えて周囲にふりまき、友人達が次々と周りに集い来る姿。半世紀以上を生きてきた老練な輩ですら、日々かくあるべきと深くうなづいてしまうような高い人間的魅力に満ち溢れています。
 未来に向けて、さらに多くの能力を得たい。能力を身につけたらそれを使ってみたい。使ってみるために広い場所へ跳びだしたい。そしてさらに多くの人たちと出逢いたい。出逢ってさらなる大きな可能性を手にしたい。
 中学を終えるこの瞬間、長い受験勉強に身を投じてきた疲弊を微塵も見せず、学業から解き放たれた暫しの休息に立ち止まることもなく、次の海に向かって櫓を握りしめ船を出し、まさに次の波間で漕ぎ出し進まんとするその姿勢、力強さ。
 何年か経った時の彼女が、どれほど活躍しているかを想像するだけで胸躍ります。
    2023

  ことばの受け渡しに長け、信頼のキャッチボールを得意とする、暖かで優しい笑顔の若者。彼は気づいてしまいました。自分が将来に向けて、今動く時だということに。
 最初は、与えられた課題への期待された答の記入だったかもしれません。しかしそれを丁寧に誠意を持って進めるうちに、自らの人生の課題探しが如何に魅力的なものであるか知ってしまったのでしょう。数字や科学の緻密な計算をしているうちに、自らの将来を推し量るスキルを手に入れてしまったのでしょう。
 自分には将来したいこと、しなければならないこと、すべき価値の高いことがある。他に先んじてやってやる、しかも速く確実に。
 誰かに指示され評価されるから動くのでなく、自らの持つ力を確かめ、さらに新たな力を得ながら進み走り続けようとする若者。それがこれほどに頼もしく映るものと、年を経た私たちがあらためて気づく。進め、動き続けよ、
行け、行け、行け。
           2022

 優しい笑顔を周囲に惜しみなくふりまく中学生。彼女の魅力が笑顔だけでないことに周囲はすぐに気づく。彼女の言葉には、自らと自らが置かれた環境への信頼がみなぎる。スポーツに勉強に、自分に備わった力を活かそう、磨き上げていこうという力が宿る。彼女への、友人や後輩達の尊敬の眼差しを感じる。
 必ず目標に達する、達するために自分は自分に課せられたものは何でもこなす。自分が信頼するもの、こと、人を決して裏切らない。壁、山、谷、なんでも来るなら来てみろ。自分がすべてちぎってなげてやる。
 わずか15歳の少女が、夏休み、早朝から走り始め30度を超す日中に汗を根底まで振り絞ってきたにもかかわらず、午後の勉強に疲れた表情を微塵もみせない。くらいつく、吸収する、自分で解決する。
 彼女と言葉を交わすと、がんばれる。周囲がみんな、がんばれる。
                           2022

  私たちの町鈴鹿から世界に飛び出した若者。学び知識を得ることを生きる糧とする素敵な彼は、イタリアのミラノの大学で自然科学を学んでいます。
My name is Stefano Toshiharu. My parents are both Peruvian but my great-grandfather is Japanese. I was born in Japan and I spent my first seven years of my life here. After that there was a big change for me: I moved to Italy. Looking back to the past it's difficult to think how fast 13 years have passed. Yeah, I am now 20, I'm not a teenager anymore. Curiosity and the desire to discover more have been the driving forces for me. Thanks to them and also to my will to continue despite the difficulties I could experiences that have had a big impact to me. For example, when I was 17 I did an exchange year in Portugal. As you can predict, I went there alone and I stayed in host families with different culture, different habits, different language and different age too. At the beginning was really tough because I found myself in a unknown world and I had to start my life from zero. But as you can see, I'm alive so everything ended well. Everytime I think about those times a feeling arises inside me:Saudades. That word is unique because it can't be translated in any language. I can say it's a mixture of several emotions, such as melancholy and nostalgia. Anyway, coming back to the present, in September I will start my second year of University in Milan. I'm studying Natural Sciences and I cannot wait to start because I feel a lot of things will change: I will move to Milan to live alone, I will start working there, University classes are going to be in presence... Eventually, after telling you a little bit of what I've experienced until now, my advice for perhaps younger boys and girls or even people of my age is to do what your heart tells you to do. And use all your inner strengths to continue in that path. It's impressive what a heart-guided person with mental clarity can achieve, trust me guys! Forza ragazzi!!   2021

  日に焼けた顔がスポーツを愛する人物であることを主張し、時間と競い合うように文字を書く背中が学業をこの上なく慈しむ人物であることを物語る。練習が始まる前の1時間を惜しみ、試合が終わった後の1時間を捨て去らない。与えられた課題に向かっているのでなく、求められた仕事をこなしているのでもなく、誰かに評価されるための作業でもない。だからくつろごうとしない。すべての彼の動力源は、将来のための強力な道具を、武器を、そして技を、手に入れたいという高い向上心であると感じる。
 計算を得意とする彼が、自分の未来を計算してみたにちがいない。深く、正確に計算してみたにちがいない。その答に大きな意味と成果をもたらすために、今何をしなければならないか、しかもどれほど急がなければならないか、大量にしなければならないかを、彼は知ってしまったのであろう。
 能力の高さを自らの鍛錬でさらに磨き込むことを臆せず行う若者。10年、20年後の彼に是非会いたい。必ず会いたい。
  2021

 自信をもって思いきり運動し、確信をもって思いきり勉強する。大きなまま取り込むべき知識は大胆に、繊細な心遣いの必要な知識は気をつけて、しかし大量に身につけていこうとする女性。誰かにものごとを習うという作業ではなく、様々な人から様々な教養を自分に引き込むという表現が相当の彼女の技。母直伝の正しい発音を武器に、日本語を次々と英訳してゆくタイミングの取り方は、まるで高飛びの選手が助走を始める姿のようです。試験で高得点を得ることが目標でなく、自分の評価を上げるための勉強でもありません。彼女の学業に対する姿勢は、やがて自分がその知識を活かし用いて活躍してやろうというダイナミズムに溢れています。
 誠意をもって自分に提示された課題に向かい、期待されたことの2割も3割もプラスをつけて結果を返す。日々の全てのものに対する彼女のこの姿勢は、今後必ず周囲を動かし、多くの好機をもたらすに違いありません。私たちの社会への大いなる貢献を期待せずにはいられない、高い能力と素敵な笑顔を兼ね備えた若者です。
                             2020

 学生時代にやっておかなければならないこと、それを学生時代に実行する。こんな簡単そうで実は困難であることを、実にたやすく成し遂げてしまう若者がいます。理数に得手をもち、濃度・密度・速度・電力など物理や化学に対する大きい理解力と、それを自分のものにしてやろうという能動的な前進力。彼のそれは、計算ドリルに間違いのない答えを書き込むような作業が上手であるという類のものとは大きく異なり、計算の結果、これからどうなっていくかを推し量るスキルに長けているのです。そして、自分自身の将来を推し量り計算するからこそ、今この学生時代にやっておかなければならないことを深く理解して日々様々な技を身につける努力を継続できるのにちがいありません
 「習ってないからわからない」という一般的な学生が口にしがちな言葉を「自分でわかってみせる」と彼がおきかえ、「教科書に出ていないからしない」を「これくらい自分でさがす」と進む姿に、この国の次世代がもつ湧き出すような力を感じないわけにはいられません。
                   
          2020

  よどみなく溢れる笑顔の少女がいます。周囲を和やかにつつむその優しくおだやかな表情。どこにあんな力が潜んでいるのでしょうか。ひとたび外国語に向かうと一気に力を満ち溢れさせる眼差し。目の前に立ちはだかる言語の習得という長い階段を、黙々と、確実に、しかも足取りをゆるめることなく踏みしめて進む姿は、決して苦を感じさせません。もちろん彼女の形づくりながら進むものを垣間見れば、様々な困難を越えているにちがいありません。息を整え整え進んでいるにちがいありません。しかし彼女は、止まりません。進み続けます。進み続けることを誇りとしているからです。
2020

 後輩たちが慕い集まる人がいます。皆が大きく意識するイベントでも必ずまん中に登場します。楽しいダンスも披露します。中高一貫六年制の学校に、ほんの最近入ったばかりの中学1年生でも、この高校3年生を知らない人はいません。だって彼は気さくに声をかけてくれるから。 現代日本人の大好きな、過去の分析と反省点の洗い出し。そんな後ろのことよりも、目前にあるものに力ずくで向かっていく姿、損得ぬきでかかっていく笑顔が、周囲に安心と信頼とを伝え及ぼしているのです。数学や理科の数式は教科書に書いてあります。英単語も漢字も覚えれば何とかなります。しかし、この表情や動き方は、若い彼がほんの何年かの間に教科書なしで身につけていったものにちがいありません。視線を合わすことを避けて通りぬけようとする日本人たちに、ぜひ紹介したい素敵な男性です。  2020

 実に優しい笑顔の少年がいます。野球のために短く刈られた髪がさらに彼の寛容力豊かな人柄を引き立て、さらにその豊かな寛容力が高度な「吸収力」へとつながっていることに周囲が気づくのに、時間はかかりません。中学生になってまださほど日がたっていないのに、英語も数学も自分の一学年以上先の内容を、たやすく、しかもハイスピードにこなしていくバイタリティー。自らに過酷な量の課題を与え、軽々とあざやかにケリをつけてゆくことを得意とします。勉強もスポーツも「自分が好きだから没頭する」姿勢が周囲に頼もしく映り、さらに敢えて神経質に成果を追求しない姿は、次の彼の余裕あるモーションにつながっていると強く感じさせます。「文武両道」というなかなか達成困難な状況を、いともたやすく単一の人物で体現してしまうことができる素敵な少年。次の日本を牽引していく大きな力、ここにありです。  2020

 世の中にいっぱいある不思議におもうこと。それを一つ一つ調べることを実に楽しそうに行う少年がいます。受験に必要だから覚えるのではありません。試験に出題されるから練習するのではありません。だれかに認められるために知識をつけるのでもありません。すべては、やがて彼が大人になってから必要になるものを自らが能動的に準備しているだけなのです。
 だから、楽しそうです。休日の朝たくさんの本を抱えて登場し、何時間続けても知識を得る作業に眠気がさすことはありません。待合室のマンガも特に必要ありません。およそ一般人ならくつろいで過ごしたくなる時間も、楽しそうに歴史の本を読みながら昼食をとり、さらに何時間も「知る」作業に自分の「自由時間」を使います。
 先人たちが研究し、調べつくしたものは得した気分で身につけて、未知の部分に踏みこもうとする姿勢は、あらゆる学問の最先端をけん引するための大きな力となるに違いありません。周囲にいるすべての大人たちが、心から「がんばって」と応援したくなる素敵な人です。
 2019

 優しい笑顔の女性。つかうことばは丁寧なのに抑揚があって楽しく、今この瞬間、隣で同じ学問に向かっていることすら、何か素敵な会をしているような雰囲気の不思議な光を放っています。習ったことを練習し試し使ってみることなど、あっという間に終え、それをふんだんに盛り込んだ応用問題に向かうことを楽しみにする、極めて高い向上心。目の前に積まれた様々な無理難題に、やみくもに飛び込み力ずくでかき分け進むのでなく、自らが御しやすい形に置き換え、スリムに整え直して知識の引き出しに整然と入れていく操作は、そばにいる教員の知的モチベーションすら高くとどめてしまう程です。
 明るく朗らかであることがすべての礎であることを、何十年も生きてきた老練な輩にすら、強くあらためて認識させる人間力を持つ人です。東京の理系大学への進学が彼女の力をさらに高め、この国に明るく大きなものをもたらすことを予感せずにいられません。

 
2019

 時間がかかってもめげずに取り組む。わかるまで絶対に目をそらさない。これはこんなものなのだと適当にすませて納得しない。彼女は理科・数学を好んで追いかける理科系大好き中学生です。自らに圧力をかけつづけることを得意とし、限界近くでも決して音をあげない魅力的な人物。
 10分をくつろぐことなく読書にふけり、真剣なまなざしで文字を追う表情は、次の世代にも頼もしい女性がいることを強く感じさせてくれます。10年後、いずれかの大学院で測定機器に囲まれて微笑んでいる彼女の姿が見えるようです。

 
2019

 にこやかな少女に尋ねました。
「あなたが大好きなことをお教え下さい。」
するとその少女が答えてくれました。
「外国の方と英語でお話しすることです。」
 まさにこれと確信するように言った彼女の返答に、私は大きな期待をこめて、意地悪にも、小学生には少し難しい言い方の英語で質問を投げかけました。
 その瞬間の彼女の素敵な表情。今ここで、日本語を使って返答をするかどうか迷うよりも先に、彼女の口が英語を話し始めていました。英語を話せる喜びが、声のトーンとボリュームを一段上げさせた瞬間でした。充分な表現、自信に満ちた言葉に、私は喜びの笑みを浮かべずにはおれませんでした。
 彼女はこの秋、小学6年生で英語検定試験2級に合格しました。彼女との出会いは、私が日本の若い力に大きな期待を抱く源です。
 2018

 周囲を何が何でも楽しい雰囲気にしてしまう、素敵な表情の少年がいます。
 がんばって、がんばって、がんばって生きている迫力は、まわりにいる人たちを元気にさせます。数学の難解な問題に向かうときの精一杯の表情も、定石通りには解法の糸口がつかめない理科の問題に辟易としている表情も、愛らしさいっぱいです。陸上競技の短距離もたいそう得意で、実際に彼が走っている姿を見たことない私でも、その表情が目に浮かびそうです。
 お手伝いに来てくれた半日がかりの大掃除、机や椅子の移動はもとより雑巾がけもワックス塗布も、彼は動く、動く、動く。することが無くなることは1分たりともありません。手が空けば、庭の草をむしり、軒の下の蜘蛛の巣をはらう。
 10分を惜しんで自分が行っていることに立ち向かう姿とそのにこやかな表情、もちろん知力の高さも抜群。バイタリティーと明るさが、彼を大きな所へとつり上げるにちがいありません。

              
2018

 優しい笑みをうかべて、いつも目の前にいる私の話を一生懸命にきいてくれる少年。
 おだやかな表情とはうらはらに、この少年のテニスの技術は、県で優勝するほどの猛者。文武両道をつらぬこうとする姿が実にたのもしく目に映ります。スポーツを極めようとする人たちの常として、「練習はこれで充分」ということなどはあり得ないことにちがいありません。にもかかわらず、練習があるから勉強時間が確保できないととも言わず、どんな過酷な状況にいるか私達が充分察することができるほど疲れていても、授業を休まない、居眠りなどするわけもありません。
自らが何をしたいのか、文武両道をつらぬきながら懸命につかもうとするたのもしい姿。この人を見ていると、1日がすべての人に平等に24時間しかないのが惜しく思われます。

          2018

 自分は笑顔を写真機に向けるのが全く不得意だと言い放つ、愛らしい笑顔の若武者。
 小学校5年生から始めた剣道は、彼の素質との相乗効果によって中学での大活躍は言うに及ばず、高校に進学してからも、その技の切れ味には凄みを増すばかりです。彼の存在は、自身の高校を県大会で優勝に導いている原動力であり、彼の稽古場での大きな声が天に届かぬわけはなく、きっと次の対戦でも彼に光が差し続けるにちがいありません。一日の厳しい練習や試合の後、つめ襟に坊主頭のまさに武道を全身にみなぎらせている姿で、学問をこなそうとする彼の能動的な姿は、今が到達点でなくさらに大きな目標を将来に持っていることの証といえます。
 10年後、20年後、彼と盃を交わすことがもしできるとするならば、その時にこの写真をしのばせていって、彼の後輩達を驚かせてやりたい、そんないたずらな気分にさせる素敵な男性です。

          2015

 謙遜しながらの微笑みが自信に溢れ、自らの能力を余裕をもって楽しみながら駆使する人。
 
自分がすでに理解を完了していることも、これから白紙に新たな絵を描き込むように、別のやりかたで自らの知識の引き出しにしまい、知識に対して二重に三重にアプローチの綱をかけていくことが、大得意です。何ページにもわたる過酷な量の日本語を英語に訳すことを平易とし、外国人と一対一で英語で語ることも臆しません。数理の処理の速さと多様性は、勉強の量や時間的な長さよりもむしろ、先人達が伝えてくれたことを如何に自分流に使える形で身につけていくかをいつも考えている証でしょう。
 大人達の伝えることを大人として聞き、何をどうするかを自分で考えすすむ姿に、どうしても周囲は難易度の高いことを要求し、さらにそれが彼によって簡単に成し遂げられることをよいことに、またさらに難易度の高いことを要求する。これは高難度スパイラルとでも呼ぶべきでしょうか。
 日本の未来に、まさに必要な人です。

          2018

 大好きなスヌーピーの筆箱を大切に手に保ち、優しいほほ笑みをなげかける少女。
 彼女が自分を取り囲むすべてのものに、とても丁寧に接していることは、その言葉、きれいに準備された文具や筆記具、丁寧に折り目のつけられた問題集をみれば、容易に理解ができます。みんなで楽器を使って音を奏でることを愛し、練習にも余念がありません。
 静かに本を開け、彼女の優しい表情がほんの少し緊張したかに見えるその瞬間。何ページにもわたる大量の日本文は、彼女の端正な発音と共に次々と正確さを極める英文に姿を変え、関数も電流回路も何事もなかったかの如く平易に解決されていきます。
 学問だけでなく全てのことに対し、自分なりの噛み砕き方、解決の仕方を充分にこころえ、自らが考え、進み、決して同じ部分で行き場を失うことがない能動性。きっと社会の中で多くの人たちに支持され信頼されてゆくことでしょう。
 次の世代を担う有能で心こまやかな人です。
 2018

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