part 1975-2016
Japanese
English
part 1975-2016
Japanese
English
![]() ![]() |
鬱蒼とした林の中の九十九(つづら)折りを、私たちのオートバイは天城峠へ向けて進みました。敢えて舗装せず残された、あの歌のままの道。 |
![]() ![]() |
ハーレーダビッドソン Electra Glide。 |
![]() ![]() |
フェリーボートを降りたホンダVTX1800。 ![]() |
![]() ![]() |
ハーレー・ウルトラクラシックFLH。ヨーロッパの石畳も路面電車の軌道でも、極めて安定した走りで乗員を守る巨艦です。エンジンの始動は儀式の如く神聖で、大きなピストンが動いているぞと、全身を震わせて表現する様が、ライダーの心拍数を上げずにおきません。少なからず腕力を要する取り回しもUターンも、パワーを後輪にかけ続けてブレーキで抑えれば、不思議なほど安定する乗り物です。ザルツブルグのガソリンスタンドで、またインスブルックの駐車場で、老夫婦が、また小さな子を抱いた父親が、買い物帰りの女性が、そしてバスの運転手さんまでが、日の丸を肩につけた夫婦に温かい声をかけてくれました。オートバイが旅を輝かせた数々の瞬間でした。 ![]() |
![]() ![]() |
奥飛騨・銚子の滝は、色づく木々のざわめきを巻き込むように蕩々と流れ落ちていました。V-twinのエンジン音をもかき消すような水音が、残されたようにたたずむ私たちを包み、夕刻の闇に覆われ始めた木々の間から、森の精たちがみんなしてこっちの方をみているような気がしてならない空間でした。雨が降っているのか滝の水がいたずらに戯れているのかさえ解らないほどの周期で、森の秋が、色が、空気が、音が、私たちの体を通り抜けていきました。私たちを正気に返らせてくれた愛車のいつもの熱い咆哮に、素晴らしい瞬間がまさに今なのであることを知るひとときでした。 ![]() |
![]() ![]() |
高速道路の高架橋から望む広島の美しい都会の景色は、日本のもつ底力を感じさせる光を放っていました。ミュージアム展示用に縮小されてもまだ勇姿と呼ぶに相応しい戦艦大和に、先人達の大きな思い入れを感じずにはいられませんでした。すすきの揺れる秋吉台のワインディング・ロード、三佛寺の投げ入れ堂に続く山道、新しい舗装で誇らしげに私たちを迎えてくれる山陰道。日本中の道が、大型の単車を駆るライダーを、余裕をもって出迎えてくれるようになりました。いつまでも走りたい、風を感じていたい、光を追い続けたい。そんな思いにさせてくれるものがオートバイです。 |
|
|
|
ハーレー・ダビッドソンSoftail. 低回転から強烈に発生するトルクは、ライダーに限りない安心感を与え、荷物満載の二人乗りでも後ろブレーキとアクセルだけで、かんたんにUターンしてくれる実に素晴らしいスタビリティの単車です。馬力や燃費、メカニズムの云々を語る前に、単車が胸を熱くする乗り物であること、二輪で走る不安定な乗り物がどうやったら安定するのかを、長い歴史が解き明かしてきたことを実感できる、きわめて魅力的な、アメリカ製の単車です。
![]() ![]() ![]() |
|
|
|
![]() ![]() 2014 フランス パリ・モンサンミッシェル |
ハーレー・ダビッドソンSoftail。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
![]() ![]() |
セルモーターがなく、エンジンの始動には必ず行わねばならない「キックスタート」が女性には大変な単気筒のオートバイ、CB250。ワインディング・ロードにこだまする特有の軽い排気音は、今でも稀に道ですれ違うときに必ずふりかえってしまうほど特徴のある音でした。アマチュア無線機の交信用のスイッチをON-OFFしながらの走行が、雨降りの道や冬の寒さを紛らわせてくれ、スポークホイールが優しいイメージを醸し出しているオートバイでした。 |
|
|
|
|
|