この国のかたち・その二
2010.01.09
前回は「仰げば尊し」の精神が大切であることを述べました。
青少年期に何を学び心の糧とするかが、大人になってゆく過程の中で基礎が築かれ、気づきが生まれるものと思います。
さて、今回は公務員の心構えについて考えてみたいと思います。
公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではない、ということは国民の誰しも承知していることですが、公務員はサービス業であると表現する首長や職員が増加しています。
サービス業とは、少なくとサービスを行いこれを生業として経済活動をし、税金を納める人々のことを言うのであって、公務員は税金の使途を考え運営する立場であることから、私は、あくまで公務員は奉仕者であるという概念が大切だと思います。
但し、最近時になって公務員が市政運営にあたって広告代金などを考えるなど、税以外のお金を稼ぐことにより、サービス業・経営などと勘違いしている向きもあるのではないかと推察いたしますが、あくまで公務員は全体の奉仕者なのです。
では、奉仕者だから、市民の言うことは何でも奉仕する、つまり、お仕えする精神が必要であり、常に頭を垂れていることが望ましいのではなく、税の執行者として常に「是々非々」で毅然とした態度が望ましいことは言うまでもありません。
今更ではありませんが、公務員は、法の下でそれぞれの仕事を行っているわけです。
従いまして、俗に言う変なサービス精神はむしろ百害あって一利なしです。
只、仏心に言う、笑顔で接し・心から接することは大切ではないかと思います。
この国は、国家公務員・地方公務員の体制で法が執行されるように、かたちをつくっています。
今後も、この国はこのかたちを守ってゆくことでしょうが、最後にもう一度念を押して言いたいことは、公務員はサービスをしてやっているのではなく、崇高な奉仕の理想を掲げその仕事の対価として報酬を得ているということを失念しないで頂きたいと思います。
本日は、もと公務員として省みながらの記述となりました。
鈴鹿市議会議員 原田勝二