●第33回三重県市議会議長会海外行政視察(2005年7月19日〜28日)

期日 2005年7月19日-2005年7月28日
視察場所

デンマーク、スイス、ドイツ

内容

 この度は、7月19日から7月28日の間、北欧と東欧の行政視察に参加させて頂きましたが、まさに、邂逅「かいこう」・・(思いがけず会うこと、めぐりあい)という二文字で表現されるように、参加議員をはじめ多くの人々にめぐりあい、ご協力、ご支援を頂いた視察でした。

この紙面をお借りし、これらの方々に先ずもって深く感謝をいたします。

  •  さて、私にとって海外は10年ぶりとなりますので、パスポートの準備から始まりましが、幹事を担当される伊賀市において、事前打ち合わせが2回おこなわれ、視察の調査事項を確認すると共に、体調管理など旅の心得について研修を受けました。

    視察先や視察内容は次のとおり、

    日程は10日間、7月20日(デンマーク及びコペンハーゲンの社会福祉政策についてのレクチャー、アクティビティーセンター視察)7月21日(デンマーク教育関連施設視察)7月22日(ドイツゴミ処理事情の視察、マインツ廃棄物処理センター)7月25日(チューリッヒ市内高齢者福祉施設にて見学およびレクチャー、チューリッヒ近郊農場視察・チューリッヒ市営農場ユツフホフ)7月26日(環境セミナー及びエコステーション視察・フライブルク市の環境政策について)でした。

     視察を終えて、特に印象に残った点をいくつか記したいと思います。

     先ず、デンマーク及びコペンハーゲンの社会福祉政策は、大半が直接税及び間接税で賄われ、まさに「高福祉、高負担」の施策が展開されていました。
    つまり、国民の全てが適度な生活レベルを保持し、失業者、疾病者、高齢者にとって基本的な権利を維持できるという原則が確立されていました。

    高齢者のデイケアーは、やはり在宅が望まれますが、元気な高齢者のためにコペンハーゲンの市内各地にアクティビティセンターが配置されていました。昼間は食事や趣味の時間をセンターで過ごし、夕刻から夜は自宅で過ごすことのできる高齢者が対象で、交通費は公費負担でした。

     また、デンマークの教育、特にSFO(学童保育)については18歳まで認められており、日本との制度の違いには戸惑いさえ感じました。

    高福祉、高負担、の制度はよほど国民のコンセンサスが得られないと実現できないことだと思いました。

     次に、ドイツのゴミ処理事情、マインツ市廃棄物処理センターについては、分別手法などは、日本が過去に学んだのではないかと思われる共通点が多く見られましたが、現在は先進地とは言えない状況ではないかと思いました。

     次に、スイスの高齢者社会保障制度はAHV(養老年金・養老寡婦年金・保障制度)の3本柱から成り立っていました。

    視察先の高齢者福祉施設は、市営の老人ホームであり、入居者は夫婦や、一人身になった人でした。
    衣・食・住・については、それぞれ工夫がこらされていますが、年金で賄われるに十分な施設で、個室にて入居者のそれまでの生活空間が守られていました。

     次に、チュウリッヒ市営農場ユッフホフでは、155ヘクタールの緑地で豚など家畜の生産・出荷、2万本のワイン生産・出荷、ミルク年間40万トンの出荷、さらに、市内の耕作面積75%を市直営で管理し小作人らにまかせていました。

     次に、フライブルク市の環境政策については、自転車を利用した交通の手段を確立し(具体的には33%の自転車プラス公共交通機関)環境問題に取り組んでいました。特に、40ユーロで月間3000キロメートルの格安定期券の発行(日曜日には家族もOK)には、その徹底ぶりに感心いたしました。

     何れに致しましても、デンマーク王国、ドイツ連邦共和国、スイス連邦、と国策の違いを知りましたが、短期間の視察では深く知ることもできず、今回の視察を機に今後も研鑽をかさねたいと思います。

    終わりにあたり、石と木の文化、宗教観、国境観、個人主義、自由の価値観、貨幣価値観など多くの違いが体験できましたことに感謝をいたします。

  • デンマーク教育関連施設視察

    フランクフルト市庁舎

    チューリヒ市内高齢者福祉施設
    (クリーニング室)


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    Last modified: August 29, 2005