稲生のお地蔵さま

 

お地蔵さまと言えば、だれもが最も身近に感じる仏像でしょう。特に、お墓の入り口や道ばたに立っておられる石のお地蔵さまは、人々にとって最も親しまれているのではないでしょうか。
お地蔵さまは、正しくは地蔵菩薩といいます。
菩薩とは、修行中の仏さまの姿です。仏さまになる力量も資格もありながら、衆生への慈悲のゆえに、この世にとどまっている方々です。
お釈迦さま自分がなくなってから56億7000万年後に、今はまだ兜率天(とそつてん)という天界で修行している弥勒という菩薩がこの世に降りてきて、弥勒仏というほとけさまになって人々を救うと予言したとされています。そして、この世を去られる時に、それまでの間、地蔵菩薩に、迷い苦しむ衆生の救済をたのまれたといわれています。
ですから、古くから、中国・朝鮮・日本の民間で信仰をされてきました。一般的によく見られるお地蔵さまは、頭を丸めて衣を着て、左手に宝珠を持ち、右手をかざしたり杖をもったりしています。そして、延命地蔵・水子地蔵など「○○地蔵」と呼ばれているお地蔵さまが全国各地にみられます。
「六地蔵」は、墓地の入口や村の入口などの境界に立っている6体の地蔵です。これは、地蔵菩薩は、「六道能化(ろくどうのうけ)」といって、地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天の六道世界をめぐり、さまざまな姿に変身し、衆生を救済するという考えにもとづいてつくられるようになったもので、日本独自のものです。11世紀の「地蔵菩薩霊験記」に見られるようになってから広がっていったものと思われます。
「延命地蔵」は、平安時代中期からお地蔵さまが寿命を延ばす力があると説かれたことから名付けられるようになったものです。
また、「地蔵盆」の行事が行われるところもあります。近畿地方で盛んで、京都では、町内ごとに子どもたちが集まり、お地蔵さまにもち・いも・かぼちゃ・ほおずきなどを供えて、百万遍(ひゃくまんべん)の数珠回しをする行事があります。また、地蔵祭りや地蔵講などを行っているところもあります。稲生でも、同様の行事が行われいてるところもあります。
百万遍とは、百万遍念仏の略で、百万回念仏を唱えることから、その行事で知られる京都・知恩院の別称でもあります。知恩院では、八世空円が百万回の念仏によって疫病を退散させたことに由来し、毎年4月に1080個の大念珠を、僧・信徒らが念仏を唱えながら100回まわす仏事があ
ります。一般には、夏の前後に村・組単位の共同祈願として行われ、円陣をつくって大きな数珠を回しながら念仏を唱えるものです。

<稲生にみられるお地蔵さま>

 

 1 名塚の六体地蔵
 2 塩屋墓地の六体地蔵・寂本善空尼地蔵
 3 野町墓地の六体地蔵
 4 野町の生水の地蔵
 5 野村の碧石の地蔵
 6 一色の丸岡地蔵
 7 釈迦堂・南陽寺の半跏地蔵
 8 西瀬古・慈恩寺の勝軍地蔵ほか2体の地蔵
 9 中町・成泉寺前の地蔵
10 中瀬古・神宮寺の経塚地蔵
11 一色・観音堂の水子地蔵
12 野町・南龍寺の地蔵
13 中瀬古・極楽寺の延命地蔵と六体地蔵
14 西瀬古・観音寺の地蔵
15 中瀬古・福田寺の地蔵
16 古里・福楽寺地蔵堂の石仏地蔵尊
17 歯痛地蔵

各地蔵の詳細は、名前をクリックするとごらんいただけます。

             

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