介護の理念 実現を目指して




↑第1回研修風景



↑笑顔を絶やさない介護


ホワイト介護の理念


利用者本位の追求


ホワイト介護は利用者本位の高齢者介護を目指して設立
されました。
これまでの介護の世界は「職員本位」若しくは「施設本位」
のケアが中心でした。
いや、現在もそう変わっていません。
人は生まれてから成長する過程の中で自分自身の中に自
己の価値観を築いていくものです。
そして、やがてその価値観にしたがって生きていくとき人は幸せ
を感じるようになるものです。
これは自己決定に基づいた生活といえます。
ところが、高齢で生活が不自由になったり、認知症になったり
して自己決定に基づいた生活が困
難になってしまうことがあります。
それでも、自分自身の力で生きていくこと(自己決定に基づ
いた生活)が保障されれば、その人ら
しく、人として当たり前の幸せを感じつつ人生を全うできると思
います。
「利用者本位の追求」というホワイト介護の理念はそういう
人として当たり前の生活を誰もが送れ
ることを目指したものです。


しかし、


ホワイト介護の理念を追求するということはたやすいことでは
ありません。
内と外からの抵抗に奮闘せざるを得ません。挫折を繰り返し
ながら、もう辞めよう、事業所を閉じ
ようという思いを何度もしながら挑戦し続けています。
内からの抵抗とは、職員一人ひとりの「こだわり」のことです。
上述したように、人はそれぞれに「固
有の価値観」をもって生きています。利用者の価値観を大
切にしつつケアしていきたいのですが、
職員のこだわりがそれを妨げてしまいます。自分の「こだわり」
に固執する職員が決まっていうことは
「理想は理想、現実は違うわよ」です。ケアの専門性を、対
人援助の技術を身に着けてほしいと
願うのですが、それさえも「こだわり」に打ち砕かれてしまいま
す。
外からの抵抗とは、ホワイト介護の職員がいくらがんばって
も、「生活の質なんて考えなくても、お
年寄りはいっぱいいるじゃないですか」という介護の世界の風
土です。
確かに、介護の世界は大変です。肉体的にも精神的にも疲
れ果てます。そんなときこの風土が
職員にささやきます。もっといいところがるよ、と。


福祉パラダイムの転換が必要!


介護保険制度が導入されるにあたって、パラダイムの転換が様々な状況で叫ばれてきました。その典型は措置から契約へということです。
ところが、「お年寄りは増え続けるなかで」そんなとはどうでもいいという風土が蔓延しているように感じます。
「施設本位・職員本位」から「利用者本位」へのパラダイム転換も現実にはなかなか進みません。その理由はたくさんあると思いますが、上述した「個々の職員のこだわり」と「お年寄りはいくらでもいるという風土」だと感じています。
パラダイム転換に必要なのは、個々の職員のスキルアップ、ケアの専門性の追求、正しい知識と技術の習得です。
但し、パラダイム転換はこれだけではできません。その基礎にあるのは「倫理観」であると思います。介護は資格より資質だとよく言われることです。厚生労働省は「資格取得」、「キャリアアップ・システム」などをサービスの質の向上のため推奨しますが、それでは質の向上は望めません。
介護は「感性の世界」です。ですから、豊かな人間性と共感能力を養う努力をしなければなりません。介護の世界の倫理観はこれらに基づいたものでなければなりません。
パラダイム転換には大変なエネルギーを要します。細部ではそれぞれの主張の差異は出ると思いますが、「利用者本位」という理念の実現、具体化に共感して頂ける仲間を増やしていきたいと思います。